日々是々日記 原智彦の「手前味噌」

お芝居のこと、お祭りのこと、大須のこと、日々思う事をポツリポツリと書かせていただきます。
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[134]かつら屋さん
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    今度の芝居では「かつら」を二個借りる。
    先日「かつら合わせ」にかつら屋さんに伺う。
    私の役「俊寛」のものと、敵役「瀬尾太郎」の二つ。
    かつらは使う役者の頭に合わせてから髪を結う。
    用意されていたかつらはどちらも三十年位前に先代のおじいちゃんが私のために作ってくれたものだった。
    名古屋におけるかつらの需要は、日舞用がほとんど。
    歌舞伎用となると、金床と言って銅板で作ったヘッドギアみたいな台座を調整しビスでとめた特殊なものになる。
    先代おじいちゃんは、戦前戦中若い頃覚えた歌舞伎でしか使わないかつらをたくさん作ってくれた。
    特に私は顔と頭が長い。
    なので私が新しい役を演る時はおじいちゃんが台座から作ってくれた。
    今その技術はお孫さんが引継いでいる。
    こう言った技術は一代跡絶えると消えてしまう。
    大切にしたい。
    ○○遺産指定とか先人の残した物も大事だが、
    本当に残すべきは人から人へしか伝わらない無形の技術であり、
    その技術が必要とされる「橋渡し」可能な世の中でありたい。

    「橋」いい言葉だ。
    遠い昔より海路から川路へ行き交う、人・物・情報が陸路と交差する所だ。
    橋の下の者達から「歌舞・音曲」が生まれそして広がったのもうなずける。
    橋の下の者達は又、時の権力から最も遠い端(はし)の者達でもある。
    時の法に縛られない自由の息を吐く者の声は新旧東西の交差点を通り、時空を超えて伝わる。
    無論、我等芝居者もその仲間。
    「自由の息」、吐かねばならぬ。
    今の世の中、金や物がすべてじゃありませぬ。
    我等、人を笑わしてナンボ泣かせてナンボ。
    「自由の息」する道化師トリックスターなんだから。

     

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