日々是々日記 原智彦の「手前味噌」

お芝居のこと、お祭りのこと、大須のこと、日々思う事をポツリポツリと書かせていただきます。
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[116]名城夏祭り今昔
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    お盆に20年ぶりに名古屋城へ行った。
    私は本当の「爺っちゃん」でもあるので、
    孫の手を引いて地下鉄に乗り「市役所前」で降り、長い階段を上り、城の外堀を渡り、
    相撲の名古屋場所をやる体育館を横目に入場料(敬老パスで3分の1の低価格)を子供に払ってもらい入る。
    娘にチケットを手渡された時、突然ドキドキした。
    初めてである。
    入場券を買ってもらうなんて…。
    私はタイムマシーンに乗ったかのごとく中学生になった。

    10歳以上離れた兄に連れられ石原裕次郎の「嵐を呼ぶ男」他三本立て映画を見に行った時以来の嬉しさに包まれた。

    5歳児と手をつないで堂々の入場だ。
    お目当ては今度私の芝居に参加する人が出演する「徳川家と服部半蔵 忍者ショー」。
    知っている人が出ていると訳もなくドキドキする。
    幼稚園のお遊戯会の父母のような。
    しかし彼はしっかりしていた。
    しゃべくりはほとんど彼一人。
    ショーの流れもコントロールする役目なのだ。
    ほんの少し嬉しかった。
    彼は私の芝居に一本出演した事がある。
    半年間真剣に付き合って学んだ事を大事にしているなって伝わってくる。
    やはり嬉しい。

    私とこの名城まつりは深い縁がある。
    1983年「名古屋城博覧会」(天守の金鯱を下ろした)の記念に、
    我ロック歌舞伎スーパー一座(1979年結成)は「鳴神」を屋外で上演した。
    見せ場は地上30mの客乗りだ。
    私37歳、写真の右側、命綱なし。



    しかもこの後左側の鯱の口に「エイヤー!」と飛び移るのだ。
    30m上空から下を見ると会場の二の丸広場がナント小さい事か。
    隣のキャッスルホテルと同じ目線。
    地上でのリハーサルでは何でのなかったのに30m上空では風がケッコー吹いていて揺れる。

    コワイ。
    コワイけど平気。
    芝居ってフシギ。

    幕が開くと神が降臨する。
    私はスーパーマンになって確かに宙を飛んだのだった…。

    この写真は週刊「フォーカス」に載った。
    当時ケナシ記事の多い中、数少ない、しかもご当地お褒め記事となった。
    メデタシメデタシなのだ。

    以来名城夏まつりが始まり今に続く。
    私は1991年までメイン行事として、
    「勧進帳」「魔弾の射手」「北野天神絵巻」「マクベス」「ウィリアムテル」「西遊記」と、6作品上演した。
    当時はバブル経済の盛りで祭りのスケールも大きく、
    城内全域人とモノでいっぱい、イベントごと拡声器の騒音、
    どこもかしこも明るいライト、昼間のよう、砂埃。
    だから、「天守閣をじっと仰ぎ見る、横に月。」なんて情緒はなかった。

    25年ぶりの夏、スケール、人共に5分の1位か、その分蒸し暑さも少し涼やか。

     

    暗がりに浮かぶ天守が夜空にポッカリ。
    イイゾ。
    世の中少し貧乏になって金のムチャ食いがおさまると、
    昼のご馳走が太陽の光ごとく、夜は暗がりの気色を喰らうのだ。
    実際、屋台のテーブルはいっぱいだったので離れた草むらに座り、
    焼きそば、串かつなどビール片手にペチャペチャ喋りながら後ろに五重の天守。
    夜にも関わらず空に白い雲。
    「幻想的じゃん。」

    草むらの先の木の下あたりで「チュッ」してもおかしくない夜の気色。
    やっと戻ったか。
    右肩下がりの世を愁うなかれ。
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