日々是々日記 原智彦の「手前味噌」

お芝居のこと、お祭りのこと、大須のこと、日々思う事をポツリポツリと書かせていただきます。
[148]嗚呼メデタイな 橋の下
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    あっという間の3週間。

    「橋の下世界音楽祭」が終わってから次の公演、

    豊田西町会館「姥捨」(6月30日〜7月2日)の準備に忙殺されて、

    書くこといっぱいあるのにコンチクショウ。

    やっと目鼻がついたので橋の下の事から描きます。

     

    今年のハラプロはいつもの「コミック歌舞伎」と違って、

    パフォーマンス「HAIKAI」。

    俳句の「俳諧」と、アチコチする「徘徊」をかけ合わせてある。

    誰でもデキル、シンプル極まりない。

    基本は超ユックリの歩行。

    一歩踏み出すのに全身で立ち向かう。

    100m20分かける。

    サルバトール・ダリの「溶けた時計」のごとく、

    いつもの時間が途方もなく「ノビル」。

    生きてきた自分の全時間くらい。

    50の魂が浮遊し、キャベツを喰い合う「最後の晩餐」。

    その日、急ごしらえの「HAIKAIバンド」も加わり即興の大宴会。

    50の魂がぶつかり交じり合う。

    「ウマクイッタ。」「オモシロカッタ。」

     

     

    いろんなモノがいろんな人が「徘徊」浮遊し、

    いろんな出会い、交じり合いが起こり、

    世界を一瞬にして17音に凝縮させる「俳諧」のように…。

     

    今年の「橋の下」はそんな事がアチコチで起こった。

    青い空の下、風になびく草穂の様に。

    自然に、気取らず、当たり前のように起こった。

    私はその「当たり前」が好きだ。

    私の好きなポップアート(ポピュラーアート)とはこの事なのだ。

    私の辞書ではポップアートとは、

    「平凡な事を楽しむ芸術」とある。

     

    ー メデタイな 嗚呼メデタイな 橋の下 ー

     

    つい、私には珍しく写真をたくさん写した。

     

     

     

     

     

    | hara-art | 原智彦の「手前味噌」 | 13:02 | comments(0) | - | - |
    [147]3回目の大鹿村
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      真っ青な空。

      南アルプスの白雪の峰々。

      描いたような白雲。

      芽吹きの黄緑。

      一斉に咲き出す花々。

      カラッとして陽気。

      信州伊那谷から南アルプスの奥深く一気に昇った標高1000m。

       

       

       

      江戸時代からの古民家が十数戸が、

      大鹿村のさらに奥にある急な山肌に張り付くよう、

      つづら道なりに点在。

      見晴らしはスコブル良い、

      空と山がでかい天空の村だ。

      家の材が太い。

      鬼の住むようなでかい「祭文亭」。

       

       

      3年目になる。

      家主のサイモンさん曰く、「日本で一番山奥で一番小さい劇場」。

      今まで2回は6月梅雨時で雨が多かったけど、今年は上天気。

      望みどおりのロケーションで演れた。

      5月の連休3日間。

      仕込みと公演2日で3日間晴れだった。

      山で満々の陽を浴びると「最高っ」って身体が言う。

      こんな状態だったので芝居も最高。

      客の覚えも最高。

      だったけど客は少なかった。

      この時期は江戸時代から続く大鹿村歌舞伎公演や、

      長い冬が終わり一気に終えるように草が、木が輝き出す時で、

      帰省客や観光客の来る時。

      地元の人達が超忙しい時だったらしく、

      「ノンビリ芝居見物」とはいかなかったみたい。

       

       

       

      それは兎も角、

      この辺りのスケールの大きな山と空と水の美しい、

      人間の手付かずの風景はスバラシイ。

      今、このスバラシイ景色の地下深く、トンデモナイ事が進行中。

      リニアモーター。

      名古屋⇔東京間を45分縮めるためにモグラのように穴を掘るのだ。

      地球に穴を空ける気か…不安である。

      子供の手にする風船に突然プシュッ、針する大人。

      昨今ようやく宇宙船「地球号」と言われ、

      その有限性が問われるこのご時世。

      全人類ヒヤヒヤ、落下傘で降下中なのだ。

      カラスに突かれて傘に穴が開くなら兎も角、

      誰が自ら穴を空けるのか。

      「傲慢」というかんむり付きの叡智と勇気で地球に穴する狂気の人。

      不安である。

      こんなにも美しい風景の下を悪夢のトンネルはもう掘られ始めているのだ。

      もうしばらくして、この美しい風景目指して訪れる人々を、

      数千台のトラックが追いかけるだろう。

      ナンのために…ナンのために…。

       

      3回目の大鹿村、芝居の旅は余りの自然の大きさ、美しさに胸打たれました。

      そして、今年4回演るパフォーマンス「HAIKAI」が「喰う人」でその最初がここ大鹿。

      その大鹿の地中深く、まさに地球に喰いつくがごとく、

      リニアモーターの穴掘りの始まる、皮肉な巡り合わせだ。

       

      兎も角、私はオモシロイ芝居を作り、笑ってもらう事しかできない…。

      続けるしかない…。

       

      | hara-art | - | 19:57 | comments(0) | - | - |
      [146]春らんまん
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        冬から夏へ…

        「サムー」から「アツー」へ。

         

        変わり目が春。

        目まぐるしく景色が変わる。

         

        庭の植物。

        一気に花開くボケ、雪柳、山吹、チューリップ、ユスラ、

        クリスマスローズ、ブルーベリー、ユズ、ラン。

        食用青菜の取り残しは黄色の小花をつける。

        イチジクは「無花果」の名の通り花は見えない、

        実の中の赤いつぶつぶの実が花のつぼみか。

        3cmくらいに膨らんだから、中で花は咲いているのかな。

         

         

         

        大須の桜。

        暖かい昼に、冷たい夜。

        そのせいか夜空に浮かぶ満開の桜ごしの月がスゴイ。

        冷え冷えとモノ言わぬ月、心に残る。

         

         

        一雨ごと、強い風の吹くごとに木々は芽吹き一日一日、

        陽を増してキレイな黄緑が広がる。

        この黄緑、ほんと「目を洗われる」という言葉がふさわしい。

         

        三月冬の寒さが残り、残り少なくなった「エサ」を求めて、

        騒がしかった鳥達が四月になるとパッタリ来ない。

        外へ餌場が移ったのか。

        食べごろの青菜が黒い土を割って顔を出したのに。

        春の花が咲き始めたのに。

        と思っていたら、四月終わり頃やはり戻ってきました。

        イヤ、戻ってきたんではなく新しくやってきた。

        カラスとハトは大須在住らしいので戻ってきたが、

        メジロ、スズメらしきものは新顔だし、

        ヒヨドリみたいなのは頭がモヒカンのちょっとパンク、

        普通私がベランダに姿を現すだけで慌てて飛び立つのに、

        コイツは平気。

         

         

        2m先のブルーベリーの小さなスズランみたいな花をモーレツな勢いで喰いまくっている。

        二匹一緒、まず夫らしき方が飛来、喰い始める。

        後一匹は小屋の上で待機。

        喰い散らす勢いがスゴイので待ちきれず「コラ」とはっきり言わず、

        「ウッン」と音量は出さず気合だけはしっかり込めて足踏もうとも発する。

        二匹同時に飛び立つ。

        初めて見た鳥だ。

        きっと渡り鳥に違いない。

        二匹羽を携えてたくましく世を渡るのだ。

        でもなるべく早くこの地は離れろ、と思ってしまう。

         

        ある朝ベランダのカーテンを開けると「サッ」と黒い影が走る。

        「カラスか」と庭へ出るとブルーベリーの白い花が木下一面に散乱。

        …。

        「無残やな、落下狼藉とはこの事よな。憎っきはカラス。」

        とちょっと口に出してみる。

        願わくばスズランみたいな花の中で結果だけは済んでいておくれ。

        そして夏には黒い宝石と言われる実を付けておくれ。

        と願う。

         

        年のせいである。

        朝、庭をながめて呟いたりしてるのは。

        今はそれがウレシイ。

        「喰う」という営みが間近に見えて。

        今年一年かけて4回行うパフォーマンス「HAIKAI」。

        喰う。

        ひたすら喰う。

        身体丸ごとで喰う。

         

        週二回「丸ごと喰うケイコ」を2月より続けている。

        だんだん味がし出した。

        この先が楽しみだ。

        | hara-art | 原智彦の「手前味噌」 | 09:45 | comments(0) | - | - |
        [145]ダリ旅 vol.2
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          バルセロナからバスで2時間あまり、

          フランス国境沿いのリゾート地「カダケス」へ向かう。

          ダリの父の別荘があり、ダリ幼少の頃から最も好きだった所。

          そこから急な海岸のギザギザ道を昇り降りして、

          ガランとした入江にポツンとある「ダリの家」。

          バスから降りて道らしき所を選んで歩きたどり着く。

           

           

          何も無い。

          カンバンもジハンキもゴミカゴもナンニモない。

           

          「イイナー、このフツーさ。」

           

          予約制なので人もまばら、風と波の音だけ。

          浜辺にすぐ建つ白壁の窓も少ない砦のよう。

          てっぺんに「タマゴ」。

          波打ち際から山へ向かってムクムクと40年以上の「時」をかけ増築増殖していった、

          「タマゴの家」と呼ばれているダリの家だ。

          一見そんなに風変わりな容貌ではない。

           

          予約時間になるまで待つ。

          門も柵もない。

          が、守衛らしき人(?)がたむろしている建物の壁に何気なく「日時計」。

           

           

          時計といえばトロンと溶けた時計が代名詞のダリである。

          「お、これは!」と思う内、入口の前に一本の糸杉の生えた朽ち果てたボート。

           

           

          これまた「おお!やるなー。」…声が出る。

          朽ちたボートは樹脂で覆ってあり、ちっちゃく「触れるな」と表示してある。

          ほとんどの人が作品とは気づかず、もたれたりナデナデしてる。

           

          さて、入館!

          って言っても10人ずつ一人の案内人に付き添われて、

          こんにちは、ダリさん!

          みたいな感じで玄関ドアを開けて入る。

           

          「う、狭い。」当たり前だ。

          フツーのお宅に10人で押しかけているのだ。

          入ってすぐ「シロクマ」がいる。

           

          ジャラジャラネックレスを付けて鉄砲を持って。

          向かいに「唇のソファー」。

           

           

          台所、図書庫、アトリエ、バスルーム、トイレ、寝室など14の小部屋と屋外にはプールや点在するオブジェ。

           

               

          彼の描く絵画そのままに、彼の家どこもかしこもダリの「おもちゃ」「宝物」で埋め尽くされている。

          まるで彼の脳内にいるような感じ。

          家自体がダリなのだ。

          イイ気持ち…。

           

          イイ気持ちにさせてくれたのは展示とその見方にもある。

          生前のままに(アトリエでは描きかけの絵もそのまま)ロープ一本の仕切りだけ、

          手を伸ばせば届く。

          彼の使ったもの、作ったものに埋もれて、

          この世にいない「ダリに会えた」と思った。

          女神「ガラ」と2人で過ごし、分身でもある絵を描き、産み出す聖なる場所、

          まるで子供のように飾り続けた城であり、教会でもあるのだ。

          「随分と正直な人なんだな。」と嬉しくも思った。

           

           

          帰り道、道端の草やサボテン、砂利、水たまり、岬の岩、碧い空、ダリの描くものに見える。

           

           

           

          やはりダリ酔いかな…。

          | hara-art | - | 11:35 | comments(0) | - | - |
          [144]ダリ旅 vol.1
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            危なかった。

             

            先月一週間ほど「サルバドール・ダリ」に会いにスペインへ行ってきた。

            会うと言っても、もうこの世にイナイ人なので彼の住んでいた家と、

            彼自身の手による彼の美術館を訪ねた。

             

            若い頃は余り惹かれなかったダリだったが、

            昨年暮れ、東京国立新美術館の「ダリ展」を観て、

            彼を急に知りたくなった。

             

            本年2017年は、20年来の私のパフォーマンス「HAIKAI」を4本立て続けに行う。

            昨年11月、「さんせう太夫」が終わると同時に、

            今年の「HAIKAI」に向けてスイッチがパチっと入る。

            HAIKAI中、私の脳内はダリの絵にある溶けた時計みたいに、

            時間が「タラーーーーン」と伸びていく感じになる。

            現実がハガレ落ち、得体のしれぬ普段とは違う自分になる。

            それがダリの絵の中の人物のようなのだ。

             

            そういう訳で、急にダリに会いたくなり、

            地中海フランス国境近くのポルト・リガト、何もない入江に建つ、

            最愛の妻「ガラ」と暮らし仕事をした、

            たぶん最も幸せな時を過ごしたであろう、ダリの「脳内ジオラマ」みたいな家と、

             

            彼の生まれたカルダスの「ダリ劇場美術館」(1974年彼70歳の時開館)、

            かつて劇場だった、ダリ自身の手によって作られたダリ王国のような建物を訪れた。

             

            ピンポイントの目的でピンポイントの場所を訪れ、

            ダリに会えはしないけれど、「モノ作りのオモシロサ」「モノ作りに熱中する楽しさ」、

            ビシバシと伝わってきました。

            願わくば私もあんな風に芝居作りに挑みたいと思う。

            空の長旅は疲れたけど、

            「イイゾイイゾ、ワカルワカル、ソーダソーダ」の連続でした。

             

            あ、そうだ!

            文の最初に「危なかった」と書いた。

            今回の旅は格安にして「ダリゆかりの地を巡る7日間の旅」という、

            私にしては願ったり叶ったりの嬉しいツアーだったんだけど、

            その旅行会社が「テルミクラブ」。

            帰国して一週間後、ニュースで倒産を知ってビックリ。

            いいホテル、うまい食事、親切なガイドといたれりつくせりの良い旅だったので、

            なおさら「エッ!」だった。

            ひょっとしたら現地でオロオロする所だったかも知れぬ。

            ダリの脳内には迷い込みたいが、地球の反対側で迷うのは嬉しくない。

             

            ダリの旅は「危なかった」で終わり、ダリのイタズラだったのかも知れぬ。

            | hara-art | - | 11:58 | comments(0) | - | - |
            [143]モザイクとミステリ
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              言い方は変だけど、ちゃんとしたホールでの公演は何時以来だろう。

              思い出せない。

              役者として出演したことはあるが、私の芝居としては永らくない。

              私の芝居は演る場の力が大切、作品に合うオモシロイ空間を作れる所を選ぶ。

              既存の小屋としては大須演芸場、名古屋能楽堂、七ツ寺共同スタジオ、KDハポン始め、

              本当に色々な所で演ってきた。

              〇〇劇場、〇〇ホールと名の付く所は少ない。

               

              であるので、3月5日「多治見市笠原中央公民館」の「姥捨」公演は本当に久しぶりのホール公演だ。

              650席の中ホール。

              デカすぎる…。

               

              「姥捨」初演はKDハポン〈鶴舞中央線高架下のライブハウス〉畳3枚極小の舞台だった。

              50倍の広さのこの舞台、どう料理するか。

              ここは40年間、世界を股に磨き上げた私の腕の見せどころ。

              結果は上々、予想を超えたお客さんに喜んでもらえたし、

              館の皆様とのスタッフワークも気持ち良くはかどり、

              なにより私共ハラプロ内のコンビネーションも良かった。

               

              今年は「姥捨」、「ベニスの商人」、パフォーマンス「HAIKAI」と、

              合わせて8ヶ所での公演、まずまずの滑り出しでした。

               

              ここ笠原は戦後モザイクタイルの一大産地で大変栄えたが、

              世の移ろいにつれ今は随分と静かだ。

              が昨年、消え行くモザイクタイルを憂えた人達の力で、

              全国の解体される住宅の風呂、台所の流し、トイレ、銭湯のモザイク絵など、

              全国から集めたモザイクタイルのミュージアムができ、

              今日最も行ってみたいミュージアムのひとつになった。

              皆さんも是非言ってみてください。

              山を真っ二つに割った様なおもしろい建物。

              ビックリです、オススメします。

               

               

              公演終了後、少し町をブラブラ。

              私は知らない町をブラブラが好きだ。

              「アレ、ヤッテルカナ〜。」近くまで行って中が明るい、

              「アーヤッテルンダ〜」となる喫茶店。

              時間がないので入るのはやめたが「コーヒーごはん」と大書された食堂、気になる。

              (コーヒーごはんってなんだろう、なんの説明もない。ここ笠原では当たり前のごはんなのか。)

              次来る時は是非味わいたい。

              店のアピール度が少ない。

              皆知ってるので宣伝など意味ないのだろう。

              「ノンキな町」好きだなあ。と話しながらの帰り道。

              と?あれ、さっき来る時は「エリ」という喫茶店だったのに、

              帰る時は「リカ」になっている。

              ??

              ミステリ発生。

              よく調べた結果わかった。

              本当の店名は「エリカ」である事。

              3文字のうち一番左側の看板が一個取れてなくなっている事。

              たぶん、どちらから見ても、エ・リ・カと読める様作られたものが、

              今では同じ喫茶店でも来る方向によって違う名の喫茶店になる「ミステリーカフェ」となっているのだ。

              取れた箇所を見るとだいぶ前に取れたものと思われる。

              ナントおおらかな。

              小さいことにこだわらない懐の深さに驚かされる。

              思わずほっぺたが緩む。

              仲良くなりたい町だな。

              また呼んでくれるとイイな。

               

               

               

              | hara-art | - | 11:43 | comments(0) | - | - |
              [143]モザイクとミステリ
              0

                言い方は変だけど、ちゃんとしたホールでの公演は何時以来だろう。

                思い出せない。

                役者として出演したことはあるが、私の芝居としては永らくない。

                私の芝居は演る場の力が大切、作品に合うオモシロイ空間を作れる所を選ぶ。

                既存の小屋としては大須演芸場、名古屋能楽堂、七ツ寺共同スタジオ、KDハポン始め、

                本当に色々な所で演ってきた。

                〇〇劇場、〇〇ホールと名の付く所は少ない。

                 

                であるので、3月5日「多治見市笠原中央公民館」の「姥捨」公演は本当に久しぶりのホール公演だ。

                650席の中ホール。

                デカすぎる…。

                 

                「姥捨」初演はKDハポン〈鶴舞中央線高架下のライブハウス〉畳3枚極小の舞台だった。

                50倍の広さのこの舞台、どう料理するか。

                ここは40年間、世界を股に磨き上げた私の腕の見せどころ。

                結果は上々、予想を超えたお客さんに喜んでもらえたし、

                館の皆様とのスタッフワークも気持ち良くはかどり、

                なにより私共ハラプロ内のコンビネーションも良かった。

                 

                今年は「姥捨」、「ベニスの商人」、パフォーマンス「HAIKAI」と、

                合わせて8ヶ所での公演、まずまずの滑り出しでした。

                 

                ここ笠原は戦後モザイクタイルの一大産地で大変栄えたが、

                世の移ろいにつれ今は随分と静かだ。

                が昨年、消え行くモザイクタイルを憂えた人達の力で、

                全国の解体される住宅の風呂、台所の流し、トイレ、銭湯のモザイク絵など、

                全国から集めたモザイクタイルのミュージアムができ、

                今日最も行ってみたいミュージアムのひとつになった。

                皆さんも是非言ってみてください。

                山を真っ二つに割った様なおもしろい建物。

                ビックリです、オススメします。

                 

                 

                公演終了後、少し町をブラブラ。

                私は知らない町をブラブラが好きだ。

                「アレ、ヤッテルカナ〜。」近くまで行って中が明るい、

                「アーヤッテルンダ〜」となる喫茶店。

                時間がないので入るのはやめたが「コーヒーごはん」と大書された食堂、気になる。

                (コーヒーごはんってなんだろう、なんの説明もない。ここ笠原では当たり前のごはんなのか。)

                次来る時は是非味わいたい。

                店のアピール度が少ない。

                皆知ってるので宣伝など意味ないのだろう。

                「ノンキな町」好きだなあ。と話しながらの帰り道。

                と?あれ、さっき来る時は「エリ」という喫茶店だったのに、

                帰る時は「リカ」になっている。

                ??

                ミステリ発生。

                よく調べた結果わかった。

                本当の店名は「エリカ」である事。

                3文字のうち一番左側の看板が一個取れてなくなっている事。

                たぶん、どちらから見ても、エ・リ・カと読める様作られたものが、

                今では同じ喫茶店でも来る方向によって違う名の喫茶店になる「ミステリーカフェ」となっているのだ。

                取れた箇所を見るとだいぶ前に取れたものと思われる。

                ナントおおらかな。

                小さいことにこだわらない懐の深さに驚かされる。

                思わずほっぺたが緩む。

                仲良くなりたい町だな。

                また呼んでくれるとイイな。

                 

                 

                 

                | hara-art | - | 11:43 | comments(0) | - | - |
                [142]ハト、ありがとう。
                0

                  寒暖の差が激しい。

                  「寒の戻り」なんて言葉、普段使わないがそんな言葉がぴったり。

                  イヤな言葉ではない。

                  すぐ先の春が手の届く事を疑わない心の余裕言わせるのだ。

                  「そう簡単にゆるんじゃダメだぞ、まだまだ。」と頬を緩めて厳しい口元。

                  先の明るいワクワク感、春を寿ぐ言葉なのだ。

                   

                  ここ数日庭先で異変が起きている。

                  めったに来ないハトが来る。

                  しかも菜っ葉や何かエサになりそうなものをついばむわけでもない。

                  ナツメの木の先っぽ極細の小枝、春になれば全部落ちてしまう松葉くらいの枯れ枝をくわえて、

                  くいっと首をひねり、もぎ取りついっと飛び去る。

                  しばらくすると又来る。

                  何度も繰り返す。

                  近くで巣を作るつもりらしい。

                  芽吹きや、蕾のふくらみではなく、ハトの巣作りで春先を感じることができる。

                  少し感動した。

                  話はこれで終わらない。

                   

                  一週間前、ハトがいつものように小枝をくわえ、ベランダの手すりをピョンピョン飛んで、

                  飛び立つだろうなと思ったら、ピタッと止まったなり動かない。

                  「あれっ…」

                  一分。

                  「ワカッタ。」

                  道路を挟んだ向かいのビル、屋上の手すりにカラスが一匹、止まったまま動かない。

                  こちらをうかがうかのよう。

                  「ウウン、ナンダコレ。」

                  両者そのまま。

                  時間が止まる。

                  私も止まる。

                  ずいぶん長く息を忘れている。

                  やがてカラスが何事もなかったかのようにピューとどこかへ、

                  ハトもしばらくして飛び去る。

                  止まったままの私も「ホッ。」息を吐く。

                   

                  そーか。

                  随分前この庭で沈丁花の木の上にハトが巣を作り、

                  その巣の卵をカラスが食べたことがあった。

                  そーなんだ。

                  巣は愛し合う「2匹の愛の巣」なんだ。

                  だから巣作りをカラスに知られたら、その巣のありかを知られたら、

                  それは卵を食べられちゃうことなんだ。

                  あの2匹のじっとしてたあの「間」はまさに生死をかけた「間」だったのだ。

                   

                  スゴイものを見たぞ!

                  あのハトはどれ位止まっている事ができるんだろう。

                  私だったらどれ位…。

                  うーん、時間の長さではなく、どれ位深く止まることができるんだろ。

                  どれくらいあのハトの様に止まることができるんだろう。

                   

                  急に「役者、原智彦」が小さく見えました。

                  「まだまだ演る事いっぱいだぞ」

                  まだまだの自分に出会えました。

                  ハト、ありがとう。

                   

                   

                  | hara-art | - | 11:41 | comments(0) | - | - |
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